Name ~ 名前なんていらない ~








苡槻は、目を泳がせながら言った。



「………協力、してほしいんだ。」



「なんの…?」





気持ちがばれないように、いつも通りの自分を演じる。




私1人だけが、苡槻と話していると思うと、平常心を保つのに精いっぱいだった。




(平常心、平常心…)




するといきなり、苡槻が、突然顔を近づけてきた。




「ッ…」




気持ちが、溢れてしまいそうだった。


今、気持ちを伝えられたら…どんなに楽だろう。



3年間、ずっと、気持ちを隠してきたんだから。





「――俺、島袋がすきなんだ」





苡槻が、耳元で囁いた。



――へぇ…。



勝手に、私は2回目の失恋をした。