ピピピピッピピピピッ……



「う……ん……ん~……」



まだ暖房がついていない極寒の自室に、けたたましい目覚まし時計の音が鳴り響いている。


ぬくぬくと温かい布団に入ったまま、腕だけを伸ばして目覚ましのスイッチをオフにした。



「う゛~……。寒い~……眠い~……学校行きたくな~い……」



出した手をすぐにまた布団の中に引っ込めて、全てから閉じこもるように頭から布団をかぶる。


昨日の桐生君とのキスが頭をチラつき、夕べはなかなか寝付けなかった。



「べつに……初めてのキスってわけじゃないけどさ……」



拗ねるようにポツリと呟く。


桐生君とのキスは、私にとって実は人生5度目のキスだった。



2度目、3度目、4度目は、それぞれ付き合った男の子達と1度ずつしている。


しかしなぜかキスをすると、先日の瀬戸君の時と同様、相手に猛烈な嫌悪感を抱いてしまうのだ。


結局それが原因で毎回交際継続が困難となり、三回とも全て私から別れを切り出してきたのだった。



ただし……ファーストキスを除いては……だが。