ドキッ
うわぁ~っ……!
上に超が付くほどカッコイイ笑顔に、思わずドキドキしてしまう私。
普段、翔以外の男の子をカッコイイと思わない私がこんなにドキドキしてしまうのだから、ファンクラブが結成されるのも頷ける気がした。
「あ、あの……、それで私に何かその……御用でしょうか……」
なんだか猛烈に恥ずかしくなってしまい、ドギマギと違和感ありまくりの日本語で聞き返す。
まさか、昨日のことをもう一度謝れとかじゃないよね……。怒ってる素振りも全くないし……。
悶々と考え込む私に、桐生君が言葉を続ける。
「朝早くからこんなところで何してんの?」
「え? えっと、その……ちょっと……探し物を……」
「ふ~ん……。探し物ねぇ……」
相変わらず私を見つめたまま話しをする桐生君。
恥ずかし過ぎてとてもじゃないが、その視線を真っ向から受け止めるなんてできそうにない。
なんとなく落ち着かなくて俯きながら髪をいじっていると
「あのさ~、もしかして探し物ってこれのこと?」
「え?」
そう言って、おもむろに桐生君が制服のポケットから小さな冊子のような物を取り出した。

