「あ……!!」
保健室でやたらとくまんちゅのことを気にして、嬉しそうに顔を綻ばせていた翔。
その表情が、今目の前にいる翔の表情とパチンと重なった。
やっぱりこのくまんちゅ、翔からの誕生日プレゼントだったんだ!
それと同時に、ずっとわからなかった他の謎までもが、嘘のようにスルスルと解けて行く。
「このくまんちゅも……、それに下駄箱に毎日入ってた嫌がらせの紙……。
私が見ないよう登校する前に片付けてくれてたのも、全部……翔だったの?」
いつだったか、翔と朝学校の玄関で鉢合わせた時、翔が妙に落ち着きなく紙片を落としたり拾ったりしていたことがあった。
きっとあの紙片は、私への嫌がらせの紙だったに違いない。
よくよく考えてみれば、嫌がらせの紙を下駄箱で見かけなくなったのは、確か誕生日の翌日からだったような気がする。
きっと私への誕生日プレゼントを下駄箱に入れた時に偶然嫌がらせの紙を見つけ、その日から私には内緒で、翔が毎朝紙を処分してくれていたのだろう。
「……っっ」
自分が知らないところでも翔にずっと守られていたことを知り、たまらず胸がいっぱいになる。
「ごめっ、翔……。あたし、全然気付けなくて……っ」
後悔の念と申し訳なさと嬉しさと……、自分でも把握できない程たくさんの感情がこみ上げ、翔の姿が涙でぼやけて見えた。

