「え!? あ、あの、翔!?」
突然のことに驚き、目を丸くしたまま固まる私の体。
しかしそんな私には目もくれず、翔の指先に触れたのは
「くまんちゅ?」
今年の誕生日に貰って学生鞄に付けていた、私が大好きなキャラクター“くまんちゅ”の超激レア限定マスコット人形だった。
なんで翔がくまんちゅのこと気にしてるの?
くまんちゅを貰った時、贈り主の名前が記されていなかったため、誰からのプレゼントなのかは今もわかっていない。
もちろん翔にも以前、その話をしたわけなのだが……。
相変わらずツンツンとくまんちゅの鼻先を、しきりにつつく翔。
その様子をわけがわからず黙ってジッと見守っていると
「コイツのこと、ずっと大切にしてやってくれな」
アーモンド形の瞳をフッと優しく細め、翔が愛おしげにくまんちゅを見つめながら優しくそう呟いた。
あれ? 確かこの光景、前にもどこかで……。
その瞬間私の脳裏に、以前私が足を挫いて翔に保健室に運んでもらった時のことが鮮明に蘇った。

