「えっと、あの、その……」
思わず口ごもる私。
私の知り合い? どっかで会ったことあったっけ?
目を凝らして、もう一度よく男の子の顔を確認してみる。
サラサラの茶髪に切れ長の瞳、スッと通った鼻筋が印象的で整った顔立ちをしている。
背もかなりの長身で、まるでモデルのようなルックスだった。
私の知り合いに、こんなカッコイイ人いなかったと思うけど……。
またしても頭を抱えていると、不意に昨日の麻優の言葉が私の脳裏をかすめた。
『桐生冬真君っていえば、この学校の生徒なら誰もが知ってる校内一のモテ男兼プレイボーイじゃない』
!!
「あ……あぁーっ! 昨日のモテ男!!」
あまりの驚きに、思わず男の子に向かって指を差し大声を上げてしまった。
「わわっ、ごめんなさいっ」
慌てて両手で口もとを押さえて男の子に謝る。
けれど男の子はそんな私にも嫌な顔ひとつせず
「やっと思い出したんだ」
そう嬉しそうに呟きニッコリと微笑んだ。

