翌朝。
「うぅ~……寒いっ!!」
日の出前の厳しい朝の冷気が、容赦なく私を襲う。
まだ薄暗いうえに一昨日の雪の影響でツルツルと滑る道を、細心の注意を払いつつ学校へと歩いていた。
「はぁっ……。なんで朝っぱらからこんな辛い思いしなくちゃなんないのよぉ……」
規則的に吐き出される自分の白い息を見つめながら、ぶつぶつとこぼす私。
なにせ朝5時起きで登校しているのだから、まったく堪ったものじゃない。
朝が弱い私にとっては、苦行以外の何物でもなかった。
それでも手帳を回収するためには致し方ない。
今の私にとっては、なんとしてでもあの手帳を見つ出すことが最優先事項なのだから……。
ようやくの思いで学校へ到着すると、一目散に昨日荷物をぶちまけた渡り廊下へと向かった。
「さすがに誰もいないな……」
シンと静まり返った校舎が、わずかながら不気味にさえ思える。
きっと真夜中の学校などにひとりで来たら、さぞかし怖いことだろう。
「さてとっ」
渡り廊下にやって来た私は、気を取り直してとりあえず周辺を片っ端から探すことにした。

