王子様もピッタリだけど、今日は七夕だから桐生君は彦星様かな。
だとすると織姫は……やっぱり工藤さん?
幸せそうな二人の仲睦まじい姿が、おもわず目に浮かぶ。
そうだよね。誰が見ても美男美女のお似合いカップルだもん。
それになにより、離れ離れだった二人が劇的に再開!ってゆ~展開も、ものの見事に当てはまってるし。
考えながら無性に切なくなり、桐生君から視線を外し自分の膝へと落とす。
どうしたって私は、そんな手の届かない二人を地上から見上げるその他大勢に過ぎないんだろうな。
自分で勝手に思ったことなのだが、気分はどんどん下降してゆくばかり。
しかしそれを止めるすべがあるわけもなく、更にガックリとうな垂れていると、ふとあることが気にかかった。
そういえば……。桐生君はなんで工藤さんと一緒に星を見ないんだろう?
本当はこんな大事なこともっと早くに気が付くべきだったのだろうが、なにぶん混乱と動揺で頭が回らなかったのだから致し方ない。
こんなところでのんびり私と話なんかしてていいのかな。
もしかして、私ってばすっごくお邪魔なんじゃ……。
桐生君の方から誘ってきたのだから邪魔ということもないだろうが、もしかしたら私に気を遣って社交辞令的についあんなことを言ってしまったのかもしれない。
そう思うと、こうしている間も工藤さんは一人で桐生君が来るのを待ってるんじゃないかと気になり、居ても立ってもいられなくなってしまった。

