キスから始まる方程式



しかし……



「ところでさ~」

「え……?」



またしても私よりも一瞬早く、工藤さんの声が私の言葉を遮った。



「冬真とはどこまで進んでるの?」

「は……?」



予想外の質問に、おもわず言葉を失う私。



どこまでって……、いったい何が?

まさかいくらなんでも、世間でゆ~AとかBとかの類……じゃないよね?



彼女の言葉の真意を測りかね、なかなか返事を返すことができない。


どうしたものかと小首を傾げ戸惑う私に、再び工藤さんが言葉を発した。



「いくらなんでもキスぐらいはしてるよね?
ん~……冬真のことだから、とっくに最後までしちゃってるかな?」

「な……っ!」



キス!? 最後!?



工藤さんの口から次々と飛び出してくる爆弾発言。


驚きのあまり口をパクパクさせながら視線を彼女へ戻すと……


そこにいたのは先程までのニコニコ顔の工藤さんではなく、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた工藤さんだった。