「この子は関係ないでしょ!?」
「関係ないですって~? 一緒にいたんだから、あの女だって同罪でしょ!?」
「はぁっ? 第一、肩がぶつかったことに対してはちゃんとさっき謝りましたけどっ」
強気な私は基本、ちょっとやそっとの脅しには怯まない。
一方的に言われ泣き寝入りするのが昔から大嫌いだった。
とにかくどんなことにも白黒ハッキリつけたい男勝りな性格なのだ。
ただし、こと恋愛以外に関しては……だが……。
「な、なんですって~っ」
「まだ何か文句でも?」
「こんのぉ……言わせておけば付け上がりやがってぇっ」
一歩も引かない私にとうとう怒りが頂点に達したのか、リーダーらしき女の子が私を殴ろうとして右手を高く振り上げた。
「七瀬っ!」
やっば、殴られる!
避けるのは無理と判断した私は、麻優の悲鳴に近い叫び声を聞きながら、衝撃に備えギュッと目を閉じ歯をくいしばった。

