「それでいったい、あなた達は何がしたいわけ?」
「あ~らら、威勢がいいこと」
フッと不敵に笑い「けど、その威勢がいつまで続くかしら?」と愉しそうに女の子が呟く。
「それじゃあ単刀直入に言わせてもらうけど……冬真と別れてくれない?」
「っ!」
ゾクリとするほど冷たく鋭い瞳を私に向け、リーダーの女の子が強圧的な声でゆっくりと言い放った。
やっぱり……。
どうせそんなことだろうとは思っていたが、生憎私も「はいそうですか」などとおとなしく引き下がる気など、もちろんこれっぽっちもない。
こんなことぐらいで諦めてしまえるほど、私の桐生君に対する気持ちはもう簡単なものではないのだ。
「悪いけど、どんなことをされても桐生君と別れるつもりはないから」
「……っ、なんですって!?」
「あなた達みたいな卑怯な人に、桐生君は渡さない」
「っ!? こ……んのやろーっ!」
「!」
「言わせておけばいい気になりやがって!!」
私の怯むことない強い物腰にカッとなったリーダーの女の子が、鬼のような形相で顔を真っ赤にしながら私の前髪を荒々しく掴み上げた。
「偉そうなこと言いやがって! お前だって工藤に冬真をとられそうになってるくせに!」
「っ!」
予想外のところを突かれ、一瞬言葉につまる。
しかし……
「桐生君は……、工藤さんと付き合ったりしないっ。……私はそう信じてる!」
髪の毛を掴み上げられているため息につまりながらも、けっして物怖じすることなく相手を真っ直ぐ睨み据え、そう強く言い放った。

