「それで、話って桐生君のこと?」

「なっ!?」

「それとも嫌がらせのこと?」

「っ!!」



臆することなくズバズバと切り込んでくる私に、逆に彼女達の方が言葉を詰まらせ青ざめた顔をしている。



まあ無理もないだろう。


普通の女の子ならば、震えながらここで涙のひとつでも流すに違いない。


しかし生憎私はそんな可愛らしい性分ではない。


こんな寄ってたかって卑怯な真似ばかりする人間に、たとえどんなことをされてもひれ伏す気など毛頭無かった。



「あーゆー姑息な手段、いい加減やめてくれない?
言いたいことがあるなら、面と向かってハッキリ言えばそれで済むことでしょ?」



キッと彼女達を睨みつけ、強めの口調で言葉を放つ。



「そうよ~? だからキッチリ蹴りをつけるために呼び出したんじゃな~い」

「っ!?」



その時突然背後から、クスクスという笑い声と共に揶揄するような女の子の声が聞こえてきた。


予想外のことに驚き、慌てて後ろを振り返る私。


なんとそこにはズラリと並んだ数人の女子生徒が、一様に薄ら笑いを浮かべながらこちらを睨みつけていたのだった。