「ちょっと」



しかしその時、突然私の進路を塞ぐようにして三人の女子生徒が声を掛けてきた。



「? なにか……?」



明らかに険のある鋭い目で私を睨みつける女子生徒達。


ピリピリとしたオーラを発していることからしても、どう考えても楽しい話とは思えない。



「話があるんだけど、顔貸してくれない?」

「話……? それならここで聞くけど」



そこまで言って私は、あることに気が付いた。



この人達……確か桐生君のファンクラブの子達だ……。



まだ桐生君とちゃんと付き合いだす前に、彼の取り巻きの中に彼女達がいたのを思い出したのだ。


明らかに敵意むき出しな様子からして、もしかするとこの子達が今まで私に嫌がらせをしてきた張本人なのかもしれない。



……だとすると、こんな目立つとこで話すのはマズイか。ちょっと荒っぽいこと言っちゃうかもしれないし。



今まで誰にも言わずに隠してきただけに、うっかり誰かに聞かれたり騒ぎになるのも出来れば避けたい。


そう思った私は、待ちに待った文句を言うチャンスとばかりに、彼女達に促されるまま場所を移動することにした。