「え……と……、ど、どしたの……? こんな……朝早くから……」
「うん……」
心の準備をしていなかったせいか、あらゆる感情が一気に押し寄せてきて桐生君の顔を正視することができない。
目を泳がせながら立ち尽くす私に、桐生君が穏やかな口調で言葉を続けた。
「橋本さんに、ちょい協力してもらった」
「麻優に? あっ……!」
もしかして、麻優が今日朝早く来いって言ったのはこのため?
しかも麻優のプレゼントって……桐生君本人ってこと!?
とんでもないサプライズプレゼントに、おもわずカーッと顔が熱くなる。
「ん? 七瀬、どした?」
「えっ!? あっ、ううん! なんでもないのっ、なんでも!」
「?」
赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて、慌てて手の甲を口もとにあて桐生君から顔をそらす。
まままま、麻優ってば! もっと早く言ってくれれば、髪の毛だってもうちょっとちゃんとセットしたり、朝シャンしたりお風呂だって……
私があれやこれやと思いを巡らせていると、そんな私を見てクスッと笑いながら桐生君が口を開いた。

