―― “許さない”
あぁ、やっぱり……。
ほぼ予想通りの内容に、思わず苦笑が漏れる。
昨日は“呪ってやる”、一昨日は確か“ブス”だっただろうか……。
……ったく。よくも飽きずに毎日毎日こんなことするよなぁ……。
やれやれ、と心の中で半ば呆れながら頬をポリポリと掻く。
実はかれこれ一ヵ月近く前から、ほぼ毎日のように繰り返されていることだった。
でもまぁ、上履きが盗まれてないだけまだマシか……。
以前日本史の教科書が突然消えたことがあったが、どうやらあれも今回の一件に関連して盗まれたらしい。
日本史のみならず、既に他の数冊の教科書やノートが同じように失くなる被害にあっている。
盗まれるのが一番困るんだよなぁ。もう絶対戻ってこないから、新しいの買わなきゃいけなくなるし……。
それこそ私のお小遣いが底をついちゃうじゃん!
これだけの嫌がらせをされているにも関わらず、冷静にそんなことを考えている私。
普通の女の子だったら恐らく相当へこんでしまうのだろうが、恋愛以外に関してはもともと超強気な性格の私だ。
このくらいのことでは、そう簡単にへこたれたりしない。
むしろ犯人をさっさと捕まえて、ガツンと言ってやりたいくらいである。

