パタン
部屋のドアを閉め、ホッと一息つく。
「あっ! 最後にもう一回確認しとこっ」
パタパタと小走りに、クローゼット横に置かれた姿見の前へと移動する。
「うんっ、どこもおかしくないよね」
頭の先から足の先まで入念にチェックをする。
このチェックも今日だけで既に4回目だ。
ちなみに今日のファッションは、上は花柄のキャミソールに白のニットカーディガン、下はベビーピンクのミニ丈シフォンスカートにニーハイソックスというコーデである。
このコーデに辿り着くまでにファッション雑誌とにらめっこをしながら、いったいどれほどの膨大な時間を費やしたことか……。
それでも私服で桐生君に会うのは今日が初めてだったから、どうしても妥協したくなかったのだ。
「お化粧崩れも無し! よしっ、どこから見てもバッチリ!」
鏡の前でクルリと一回転する。
ミニ丈のシフォンスカートの裾がフワリと舞い、少しだけつけたコロンの甘い香りが鼻先をくすぐった。

