「え~? だって家に来るってことはつまり、そういうことでしょ?」

「っ! だからっ、そ~ゆ~ことってど~ゆ~ことよっ」

「……七瀬、それ本気で言ってるの?」

「へっ? もちろん本気だけど……。
だって桐生君はそうならないためにも、桐生君家じゃなくてうちのほうがいいって言ったわけだし……」



私のお気楽発言に、やれやれといった面持ちの麻優が呆れたように口を開く。



「あのね~七瀬……。さっきも言ったけど、思春期真っ盛りの男の子が彼女の家に遊びに来る目的なんて、どう考えたって一つっきゃないでしょ?」

「だ、だからそれは……」

「あ~っもうっ! 七瀬ってば変なとこでお子様すぎっ!
今どきの女子高生、大人な付き合いしてる子なんてゴロゴロいるっての!」

「ゴっ……!」

「しかも相手はあの学校一のモテ男の桐生君なんだよ!? 見るからに肉食系だしそういうの慣れてそうだし……っ。
そんな人とひとつ屋根の下に一緒にいて、何も起こらないわけないじゃん!」

「うっ……」



た、確かにそうかも……。



珍しく語気を荒げまくしたてる麻優に圧倒され、返す言葉が見つからない。