キスから始まる方程式



翔……何て言おうとしたの……?



ひとり残された私の中で、消化できないモヤモヤ感が募る。



考えれば考えるほど先程の二人の姿が頭をチラつき、狼狽する心に拍車をかけた。



……そういえば二人も、キスしたんだよね……。



なるべく思い出さないようにしていたのだが、それに反して浮かんでくる二人のキスシーン。


なんともいたたまれなくなった私は、そんな辛い場面を振り払うようにブルブルと大きくかぶりを振り、ゆっくりと歩き始めた。



翔も南條さんとキスした時……すごく幸せな気持ちになったのかな……。


そういえば南條さんの呼び方も前は“風間君”だったのに、いつの間にか“翔君”に変わってたし……。ってことは、キスしてから前よりもっと二人の仲は深まったってことだよね……。



そう思っただけで、なんとなく複雑な気分になる私。


もう翔のことは関係ないんだからと自分に言い聞かせるのだが、そう思えば思う程なんとなく考えてしまうのだった。



「……瀬。……七瀬っ」

「……っ!?」



突然肩を掴まれてハッと我に返る。



あれ?私……。



掴まれた肩に目をやると、桐生君が怪訝そうな顔でこちらを見ていた。