「うっお~! すっげ~うまそうっ!!」
「あの、あんまり美味しくないかもしれないけど……」
もう我慢できないとばかりに、「いただきます」の声と同時に夢中でお弁当にかぶりつく桐生君。
「うんっ、うまいっ! おっ、これもすっげ~イケるっ」
息つく暇もなく次から次へと口の中へかきこむと、あっという間にたいらげてしまった。
「ぷは~っ! うまかった~っ」
満腹になったお腹をさすりながら、「は~っ、食った食った」と桐生君が満足気に微笑む。
そんな桐生君を見ているだけで、私の真っ暗に沈んでいた心に一筋の光が射し込んでくるようだった。
こんな風に、誰かに自分の作った物を美味しいって喜んで食べてもらえるのって……ほんと、幸せだな……。
桐生君の笑顔が、私の胸にジンと染み入る。
こんな人と一緒にいたら、きっと……幸せなんだろうな……。
嬉しそうな桐生君を、いつの間にかぼんやりと目を細めながら見つめている自分に気が付く。
私もいい加減、新しい一歩を踏み出さなくちゃ……いけないのかもしれない……。
そう思った瞬間、自然と言葉が私の中から溢れ出ていた。

