キスから始まる方程式



なっ……なによなによ翔なんかっ!


私が見てないと思って、南條さんとイチャイチャしちゃってさ!!



無我夢中で嫌なことを振り払うように走り続ける。



私なんかのまっずいガトーショコラより、南條さんの作ったやつのほうが、そりゃあ何百倍も何千倍も美味しいでしょうよ!


どうせ私のなんてっ……私なんてもう……。




キーンコーンカーンコーン



「はぁっ……はぁっ……」



気が付くと、午後の授業開始のチャイムが校内に響き渡っていた。



「あ……授業……」



我に返った私は、自分の教室へとトボトボと歩き出したのだが……



「授業なんてもう……どうでもいいや……」



そう言うと、踵を返しそのままある場所へと向かったのだった。