「はぁっ……はぁっ……。確かこっちの方に歩いて行ったはず……」
辺りをキョロキョロと見回しながら翔の姿を探す。
学校といえど、さすがに真冬のこの時期だけあって外には生徒の姿がほとんどない。
何か用事でもない限り、みんなわざわざ寒い外には出たくないのだろう。
まぁ、かく言う私も例外ではないのだが……。
「おっかしいなぁ……。どこに行ったのかなぁ……?」
人も少ないしすぐに見つかりそうなものなのだが、思いのほかなかなかみつからない。
まさかとは思ったのだが、念のため普段はほとんど人通りのない中庭にまで足を延ばしてみることにした。

