キスから始まる方程式



ガトーショコラ、翔にいつ渡そっかな……。



昼休みの教室、窓際の席で麻優と一緒にお弁当を食べながら、これからのプランを心の中で練る私。



「……なせ」



放課後は翔も私も部活だし……。



「……七瀬」



かといって、直接家にまで押し掛けるのもなぁ……。



「七瀬ってば!」

「っ! へっ!?なな、なにっ!?」

「んも~、『なに』じゃないよまったくぅ。さっきから何回も呼んでるのに、全然気付かないんだもん」

「え? やだ、ほんと? ご、ごめんねー麻優」



「ご飯粒落ちたよ」と頬を膨らませながら、拗ねた様子で麻優が教えてくれた。



「あ、あはは~、やだもう私ったら……」

「ぶ~……」



そう言って慌てて机の上に落ちたご飯粒を拾い集める。


どうやらいつの間にか、すっかり考え込んでしまったようだ。