私は紫希と目を見合わせた。

私たちは頷き合い、最前線めがけて急降下する。

そして、紫希の手からまっ黒な光線が烏天狗へと迷いなく放たれた。

逃げる間もなく付近でいくつもの黒い翼。

七瀬くんと乱麻くんが後ろへ飛びのいていく。

私たちは、烏天狗を一掃した最前線へ勢いよく着地した。

私は紫希の腕から飛び降り、村の人々を背に、大地を踏みしめる。

前には夜に溶け込みそうな漆黒の烏天狗軍の壁。

私は大きく足を開き地を掴んで、勢いよく腕を広げた。

「それ以上の進軍は、絶対許さない!」

胸が張り裂けそうな大声を轟かせる。

前線にいた烏天狗がにじり下がっていく。

私はきつく睨み続けた。

姫巫女様とわき立つ声で背中が熱くなる。

力強い。