そこは暗闇
じわりと湿る大気をすうっと肺に吸い込み、ヘモグロビンが酸素を掴む、呼吸。

外の湿り気とは対照的にかさかさと荒れた私の躰。

白い粉が暗い視界を更に見にくくし、仕方なく手先に意識を集め感覚で先を捉えることにした。しかし、肝心の腕が生えていない。
驚いて今度は足を動かそうとしてみるが、それも同様。意味を成さなかった

















さあ、どうする



触れて物を確認する手段は出来ないと解った。手足が無いのだから。それならば、嗅覚はどうだろう










嗅覚は機能を失っていた

それどころか機能を為す本体までもが消え去って。触れることは出来ないが確かに、確かに面の中央に有るはずの鼻の感覚が、無







舌を出そうとした

けれども口は動かない








白い粉が視界を、感覚を奪い去る





































そういえば私、瞬きをしていない


















(白い粉は私の)















END