裕木亜澄の話は、衝撃的だった。
もう、1か月以上も前から、――――。
飛鳥はこんなとんでもない嘘を、ずっと信じ込んでいたらしい。
いくら居眠り運転の車に激突されたからって、運転していたのは飛鳥だ。
さて、――――。
どうしようか。
篠井未紗子は何のために、こんな嘘を吐いたんだ?
まさか、俺を手に入れるためとか、言わないよな?
なあ、飛鳥。
俺、どう出たらいい?
そして、――――。
運命は、味方する。
こんなボロボロの精神状態の時にかかってきた、1本の電話。
医学部に進学した友人に頼まれて協力した、とある検査。
その検査の結果が…。
報復する機会を窺っていた俺の感情に、拍車をかけた。
さあ、復讐しようか。
徹底的に、打ちのめしてやる。