「何、騒いでんだよ。」



碧、―――。


僕の兄貴がキッチンへとやってきた。



「もうっ、聞いてよっ。」



くるりと振り返ると、飛鳥は碧の背中に隠れるように、僕から身を隠す。



「何だよ、飛鳥。」



急にしがみ付かれた碧は、両手を上げたまま、飛鳥のことを見下ろした。


飛鳥にとって何気ない仕草でも、最近はちょっと…僕らも受け入れるのに躊躇してしまう。


ずっと後を追いかけてきてた、妹、なのに。


泣いてしゃがみ込んでしまう飛鳥を、朝陽は見て見ぬ振りをして。


奏多は完全に無視をきめこんでた。


碧に言われて、仕方なく迎えに行くのは、いつも僕だったのにな。