「めんどくせーな。」



湯船に浸かった碧が、母さんにピシャッとお湯をかける。



「こらっ、碧っ!!

あんたたちと違ってね、女の子は壊れやすいの。

一緒にしたら駄目だからねっ!!」



壊れやすい…?


女の子って、何だ??



何となく、―――。


僕の脳にインプットされた『女の子』のカテゴリー。



飛鳥は産まれる前から、僕たちにとって特別だった。


おばさんの、日々大きくなっていくお腹に触れさせてもらい、ぽこぽこと動く体動に生を感じた。


産まれてからも、ハイハイも、歩き始めた時も。


必死に後を追いかけてくる姿に、僕らは煙たい振りをしながらも目が離せなくて。



ずっと、―――。


見守っていたといっても過言じゃない。