碧と朝陽と僕と奏多。


いつも一緒で、喧嘩ばかりして。


そこに、女の子が入るの?


ついてこれんのかよ。


そんな、どうでもいい心配が胸を過った。



ま、僕は関係ないけど。



不安は胸にしまいこんで、そのまま。



「従妹よ、従妹、―――。

まあ、妹みたいなもんだけどね。」



母さんは僕の髪の毛をワシワシ洗いながら、


「流すよ?」


と、洗面器を手に取る。



「いとこ…?」


「そ、―――。

朝陽と奏多は従兄弟でしょ?

赤ちゃんも同じ、従妹なの。

でも、女の子、だからね。

みんなで守ってあげないと。」


「何でだよ。」


「だって、――――。

碧も大哉も男の子でしょ?

じゃあ、女の子は守ってあげなきゃ。」