魔女の街よりも奇妙で、怖い雰囲気の死神の街。
チョコはビクビクしながら私の服を摘んでる。


…コイツ、本当に悪魔か?


ジャックの家の、前に降りて、チャイムを鳴らす。
しばらくすると、ドアが不気味にギギギ…と開いて、奥から、どうぞ…と声が聞こえた。


入ると、中は真っ暗で、まるでホラーハウス。
チョコはビクビクしながら奥へ進んでいく。


「ジャック、いるか? あのさあー、頼みたい事があんだけど…って、あひゃあ!!」


天井から血がボタボタ落ちてきた。
チョコは驚きのあまり気絶してしまっていた。


「あー…ごめん。 最近、吸血鬼の友達が増えてさー。 上の部屋で飲み会してたらこぼしちゃって」


ジャックはソファーに寝転がったまま、体ひとつ動かさずにこちらを見ていた。


「こぼしたんなら拭きなよ」


「だってめんどくさいんだもーん」


コイツは死神のくせに、超めんどくさがり屋。
しまいには命を取るのもめんどくさいとか言い出す。


実力はあるのに、仕事はさぼってばかり。
もったいないとしか言いようが無い。