そして、次の日、チョコを見送りに行くため、悪魔の街へとやってきた。


人間界への扉の前で、ボーッと立ってるチョコの姿がある。


「チョコくんっ」


ミューは元気いっぱいに、チョコに近付いていく。
私はトマトと一緒に、少し離れた場所で、二人を見ていた。


「ミュー。 こんな所に来て大丈夫か?」


「うん、どうしても見送りに来たかったから。 それにほらっ、イチゴちゃんに悪魔ファッションにしてもらったから大丈夫っ」


チョコが、そっかと頷くと、ミューは可愛くラッピングされた包みを出す。


「これ、イチゴちゃんと私とで作ったの。 良かったら食べてね」


「お、サンキュー。 イチゴも、ありがとな」


そう言われると、なんだか照れくさくて、小さく、『別に…』と呟いた。


それを聞いたチョコは笑っていた。


…むかつく。


「あ~。 良かった~間に合ったね。 …で、何やってんの?」


少し遅れて見送りに来たジャックが、チョコを踏みつけてホウキで小突く私の姿を見てそう言う。