『僕の名前はミノル。これからよろしく』


Mはそっと手を出した。


“ミノル”それがMの名前。


『よ……よろしく』

俺も恐る恐る手を出して俺達はかたい握手をした。


この世界には法律もルールもない。

でも1つだけミノルは約束して欲しいと言った。


君はフリーチルドレン、
それを忘れてはいけないと。

夢の国のたった1つだけの約束。




『‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ユウキっ!!!』

その時、遠くから俺を呼ぶ声がした。

この声はまさか…………。


『ハァ……ハァ………ッ…ユウキ!』

息を切らせて現れたのはシオリだった。


え、シ、シオリ!?

なんだか久しぶりに会った感じ……って、
そうじゃなくて!


『な…なんでシオリがここに?』


『なんでって私もここの住人だもん』


まじかよ。

ずっと連絡が取れなかったシオリが目の前にいる。あの不思議な電話の謎がようやく繋がった。


シオリは俺よりも5日前にここに来たらしい。

何も分からない俺はシオリが居る事で少しホッとしていた。ふっと後ろを振り返るとミノルの姿がない


……………あいつどこ行ったんだ?


『あ、登録管理所にはもう行った?』

シオリが思い出したように言った。


『登録……管理所?』


『うん、教えるから付いてきて!』