おじさんが居なくなった道路で俺はムカムカしていた。
『あーなにあの人っ!訳分かんないんだけど』
怒りはまだ収まらない。
あんなに怒られる理由がないし、あそこまで言われる筋合いもない。
『あのおじさんって………
この前の人じゃない?』
フクは俺と違って冷静だった。
この前の人………?記憶の糸を辿って最近会った
あの年齢の人を思い出した。もしかしてさっきの人って……。
『あの時のサラリーマンか!』
確かに言われてみれば背格好も顔付きも同じだ。
『まぁ、あんまり気にしない方がいいよ。色々あるんだよ、あの人も……』
フクは俺の肩を叩きながらなだめてくれた。
色々あるのは分かるけど、だからって………。
この世の中にいい大人ってどのくらい居るんだろ。
大人ってそんなに偉いのか?
なんで俺達はこんなに大人の顔色を伺って生きなきゃいけないの?
そんな大人になっていくなら、
俺は大人になりたくない。



