「近未来少年少女」




いま全てを話す事は出来ない。でも目の前にいる
この世界で出来た初めての友達に俺は聞きたい。


『……………ゲンタは……
この世界をどう思ってる?』


この質問はかなり無謀だと思う。

答えなんて分かりきってる。


以前シオリに今楽しい?と聞いたら、楽しいと返ってきた。これは当たり前の答え。

それなのに俺はまた同じ事をゲンタに聞いてる。


『どうって………どうも思わないよ』

それは俺にとって、かなり意外な答えだった。


『どうも思わない?』

『うん、ここにいる事が当たり前だから別にどうも思わない』


当たり前……か。確かにその通りだと思う。


『なら、もう1つだけ質問してもいい?』

俺は再びゲンタに問いかける。ゲンタからは迷わず『いいよ』と返ってきた。


ゲンタはこの世界にいる時間が長い。

リーダーが1年、その2ヶ月後に来たのがゲンタ。つまり10ヶ月ここで生活してる事になる。

ゲンタは多分、相当な記憶を失ってると思う。


『…………ゲンタはあっちの世界に……
元の世界に大切な人はいなかった?』

この質問もかなり無謀だ。

俺でさえ薄れていってるのに、ゲンタが現実世界の事を覚えてる訳がない。でも俺はどうしても聞きたかった。