きっと俺の気持ちなんて誰にも分からない。


この世界に来て、救世主と言われて、
ミノルに会って、失ってる記憶の事を知って、

俺の知らない所で俺を知ってる人が居て、

1人で記憶を辿っても
いまだに何も掴めない。


それなのに俺自身で見つけなきゃ意味がない?


分からないものは分からない。

思い出せないものは思い出せない。

俺はこの世界の全てを背負っていける程、
強い人間じゃない。


今まで言えなかった思いと、やりきれない気持ちがもう爆発寸前だった。今はそれを口に出さないだけでいっぱいいっぱい。

そんな様子を見たメグは悟ったように言った。



『自分の背負ってる運命が重荷なら、
もうやめたらいいじゃない』

冗談ではなく本気で言ってるメグに対して、俺は怒りを感じていた。


『やめる……?』

拳を握りしめて、眉間にシワが寄る。


『そうよ。ミノルを思い出す事もこの世界から出る事も、何もかも全部やめちゃえばいいじゃない』

『………』