俺は確かめるようにもう1度表札を見た。
やっぱり何度見ても自分が住んでいたウノ町と書かれてある。
駄菓子屋は木造で作られていて、指でなぞると木屑がボロボロと剥がれた。ガラス張りの開き戸は汚れで曇っていたけど、うっすら中がうかがえる。
中には木箱に入った駄菓子がたくさん並んでいて、どれも10円や20円で買えるものばかり。
さらに奥を見ると一段高くなった場所があって、
そこには四畳ほどの狭い和室。よく見るとテレビとコタツが置かれていた。
…………だ、誰か居たりするのかな?
俺は恐る恐るガラス張りの戸を開けてみた。
『誰か居ますか……?』
小さい声で訪ねたけど返答はない。
中はシーンと静まり返っていて物音一つしなかった。やっぱり誰も居ないようだ。
『お、お邪魔しまーす……』
一応そう言って、店内へ足を踏み入れた。
朝なのに薄暗くて湿っぽい匂い。下はコンクリートの床で、なんとなくひんやりとしていた。
狭い店内をゆっくり歩いて、奥に見えたあの和室へ近付いた。部屋を覗くとやっぱり誰も居ない。
そこは外から見たままで、置いてあるのはテレビとコタツだけ。
何故か俺はその空間が懐かしく思えて立ち尽くしてしまった。
なんだろう?この気持ち…………。
ここはやっぱり俺と関係がある場所なのかな?



