………………バイトか。別にやりたくない訳じゃない。むしろやってた事もある。
でも給料の半分以上は生活費と言われて家に金を入れていた。だからほとんど自分では使えなかった。
働いた分、自分の小遣いになるならいくらでもやる。俺だって欲しい物はたくさんあるし。
だけど小遣いにならない事より、おふくろが俺の金に頼ってくる事が嫌だった。
家の為に働く。
今の俺にはすごく重たい言葉だ。
俺はおふくろと会話する事なくカレーを黙々と食べて、自分の部屋へと戻った。
ガサガサとおもむろにカバンを漁り、中から進路調査表を取り出した。
専門、大学、就職、その他。
クラスの奴らは決まってないって言ってたけど、
実際は専門か大学のどちらかだろう。
俺は…………俺は………。
あ、あれ?
いつも肌身離さない携帯がどこにも見当たらない。もしかしてリビングに忘れてきたのかも。
またおふくろと顔を合わせるのは嫌だったけど、
仕方なく取りに戻る事にした。
階段を降りてリビングのドアを開ける寸前、ドア越しからおふくろの声が漏れていた。
誰かと電話で話してるらしい。俺は少しだけ耳を傾けてみた。



