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その後俺はナカジと別れて、五番街の家に向かっていた。
本当はリーダーの家に行こうと思ってたけど、
今は少し顔を合わせづらい。
『はぁ……』
何から解決していけばいいんだろう。
カシワギとの事はリーダーに言えない。
俺は自分の家に着くなり、ベッドへ倒れこんだ。
その時、ふっと頭に浮かんだのはフクだった。
フクは今なにしてんのかな……?
俺が居なくなってどう思ってんだろ。
こんな時フクが居てくれたら、何でも相談出来るのに。
悪い事も良い事も、包み隠さず話せるのはフクだけだ。いつも隣に居たのに俺達の距離はずいぶん離れてしまった。
勝手に離れたのは俺だけど…………。
俺は天井を見つめながら目を閉じた。
とにかく出口を見つけなくちゃ。時間が経てば経つほど俺の記憶も消滅していく。
もしかしたら記憶が無い事も忘れて、現実世界も忘れて、ここで生活する事に何の疑問も持たない日がくるかもしれない。
だから、早く、早く……………。
焦る気持ちとは裏腹にどんどん瞼が重くなって、
意識が遠退いていった。