『ユウキ君は何も分かってないね』
ナカジがクスッと笑う。なんだか馬鹿にされてる気分だ。
『分かってないって何が?』
俺は強く言った。
『どこの世界でも、力を持ってる人に媚びを売っておくのが利口な生き方なんだよ』
『………』
『あーいう人は敵に回したら厄介だよ。だから慕ってる振りをして仲間になっておく。ね?僕は利口でしょ?』
考えてみればナカジは学校にいた時からこうだった
人を見下して、自分が1番正しいように喋る。
だからみんなナカジとは壁を作ってた。
でもそんなナカジでも悩んでいた事を知った。
がり勉だと思っていたら、実は勉強が嫌いだったとか。
将来を期待されて優越感に浸ってるんだと思ったら
本当は期待される事に疲れていたとか。
俺はみんなと一緒でナカジに対して一線を引いていた。だけどナカジの悩みを知って大袈裟に言えば
ナカジも人だったんだなって、
俺達となにも変わらなかったんだなって思った。
それなのに………………………



