シオリは何も知らない俺に説明し始めた。
『フリーチルドレンっていうのはね………』
得意気に話す説明は長々と続き、俺はそれを黙って聞いていた。聞き終わった後、正直みんなのようにテンションが上がった。
こんな夢のような話があるのか?
今まさに進路の事で悩んでた俺達にとって現実逃避ともいえる妄想の世界。
フリーチルドレン=大人にならない子供。
それはどこかにある子供だけの世界。
本当にそんなものが存在するって言うのか?
クラスの奴らも進路という言葉を忘れるかのようにフリーチルドレンの世界に夢を膨らませていた。
教室の床を見ると進路調査表の紙があちらこちらに落ちている。
俺は自分の進路の紙を手に取って『ある訳ねーだろ……』と呟いた。
確かにテンション上がる話しだけど、俺にとっては2次元の世界。夢の国なんて所詮夢なんだよ。
現実に存在しないから夢の国って言うんじゃん。



