雅風は噛み砕くように目を瞑り、半瞬ほど考えた。



「……儚、それは俺が刹那に付き合ってここまで、来たかと訊いてるのか? それとも恋愛的な意味で?」



「……ふーお兄ちゃんから天然がなくなるのは何だか残念だよ。でも、うん、真っ当にカッコいい人になっちゃうからお姉ちゃんは大変だね」



「刹那が大変てか…今までの俺は単なる呆けらしい。これ以上呆けてたら壱星にシメるって言われたから、がんばってる。

……てことで、正解を教えてくれ」




がんばっても選択肢が思い付くようになっただけで、基本形態は変わっていなかった。




「えっとね、」
「うん──」
「りゃーっ!!」



密談をする二人の間に、刹那が奇声とともに滑り込んできた。