涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


“嫌い”


何度言われても、慣れることはない。


言われる度に胸に刺さり、見えない血が流れる。



夕凪とは反対側の廊下から、加奈が走って来た。



「潮音!早く!
サッカー、始まっちゃうよ!」



「あ… そうだった…
急がないと…」




呼びに来てくれた加奈に手を引かれ、走り出す。


夕凪はあっち。

私はこっち。



廊下を反対方向に向かう私達の距離は、

どんどん離れて行った。




 ◇◇



女子サッカー1回戦は、同じ一年生のG組。


私達のチームは全く練習していなかったのに、

2-0で勝つことができた。



私達が上手なわけじゃない。


G組女子が全くやる気がなくて、そのお陰で勝ったようなものだった。



私は頑張ろうと思っていたけど、活躍できなかった。



誰も私にパスしてくれない。


透明人間になった気分。


佐伯さん達との間に改めて溝を感じ、溜息をつくしかなかった。