涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


女子サッカーの開始時間が近くなり、

佐伯さん達はグラウンドに向け、教室を出て行く。


私もその後を追う。



教室のドアに手をかけた時、

「潮音ちゃん!」

と名前を呼ばれた。



足を止めた私に、上條君が近づいてきた。



「頑張って。俺、近くで応援してるから」



「うん、ありがとう」




上條君の1000メートル走は、私のサッカーの後だ。


クラスメイト全員が注目している、上條君と夕凪の勝負は……



「貝原、来ないな。
やっぱ逃げたのかな…」



みな出払い、空っぽのクラスを見て、上條君が呟いた。



今は10時を少し過ぎたところ。


夕凪はまだ登校していなかった。



今朝は、日の出前から波乗りしていた。

元気なのは、確かだ。



上條君に勝負と言われて、
やっぱり体育祭が嫌になったのかな…

そう思っていた。