涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


 ◇◇


体育祭の朝は、校門前の風景が違っていた。


ピンク、黄色、緑…

カラフルなTシャツの生徒達が、正面玄関に向け歩いている。



体育祭はクラスお揃いのTシャツを作るのが恒例で、

うちのクラス1-Dは、紺色Tシャツだ。



教室に入ると、みなワイワイ楽しそうだった。



お揃いのTシャツで体育祭ムードが盛り上がり、

テンションも上がっている気がする。



クラスメイトの会話が耳に入って来る。



「誰だよー、安いヤツでいいって言ったの。

うちのクラスだけ、Tシャツちゃっちぃじゃん!」



「生地薄っ!紺て言うか、ただの青じゃん、アハハッ」




加奈に「おはよ」と挨拶してから、二人してお互いのTシャツを見ていた。



紺色Tシャツは、光に当たると確かにブルーに見える。


色が付いているから下着は透けないが、予想より生地が薄かった。



クラスでTシャツを作る相談をした時、

どうせ体育祭の2日間しか着ないのだから、一番安いのにしようと、誰かが言った。



それで業者に、一枚800円のTシャツ制作を依頼したのだが…