涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


心配させたくなくて、
「大丈夫」と笑って見せる。



父は私の肩を抱いて、髪がグシャグシャになるほど撫でてくれた。



「俺から夕凪に言ってやっても、いいけどな…

それは、潮音が嫌なんだろう?」



それも父に、良く言われる言葉。


夕凪は父には心を開いているから、

間に入って話しを付けてやろうかと、度々言ってくれる。



それを私は断り続けている。



「お父さんは、何もしないで…」



そう父に頼んでいる。



父に言われたら、夕凪は無視するのを止めるかも知れない。


でも、それだと意味がない。


仕方なく嫌々仲良くしてくれても、嬉しくない。



それに…

父にも心を閉ざしてしまったらと、

それが一番の不安だった。



夕凪にとって私の父は、サーフィンの師匠で、

兄のような父のような…
そんな存在。



両親と離れて暮らす夕凪にとって、父は特別な人だから、


私達のことに、巻き込んではいけないと思っていた。