涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


上條君は夕凪に宣戦布告した。

まるで私を賭けるような、言い方だった。



私を賭けた勝負など、夕凪にとっては無意味で迷惑な話し。


それは分かっているのに、勝負の日の早朝にこうして海に入る姿を見ると、

一々傷付く自分がいる。




難しい技を繰り返し練習する、夕凪を見ていた。


朝日がやっと顔を出す。


波がキラキラ輝いて、海は綺麗なブルーに変わる。



日の出と共に、サーファーが増えてくる。


馴染みのお客さんもいた。


私に気付いて手を振ってくれるから、

私も振り返した。



波音を聞きながら夕凪を見つめていると、

急に背後に影が刺した。


振り向くと、父が立っていた。



黒いウェットスーツ姿ということは、波乗りしようとしていたようだ。


父はニカッと笑い、私の横に腰を下ろした。