涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


急いで着替えをして、後を追う。


声はかけられなくても、
雨の日以外は毎朝、夕凪のサーフィンを見に行く。



潮風を浴びて、砂浜を走る。


朝のひんやりした空気は、気持ちいい。



いい波が来ていた。

夕凪はサーフボードに腹ばいになり、沖に向けパドリングしていた。



私は特等席へ。


綺麗な砂浜から海に向け、
コンクリートの船着き場が突き出している。



沖に向け伸びる細長いコンクリートは、長さ20メートル程。


プレジャーボートなどの娯楽用船舶が停泊できるように作られたけど、

使用料が高くて、一隻の船もとめられていない。


町の人は「税金の無駄遣い」と呆れている。



私にとっては、この船着き場は嬉しい存在だった。


海ににょっきり突き出した白いコンクリートは、

私と夕凪の格好の遊び場だった。