涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


男子は…


なぜか上條君がいつまでも手を挙げず、残っていた。



バスケかバレーボールにすると言っていたのに、

その二つに手を挙げず、
他の男子で埋まってしまった。



上條君の視線を追うと、夕凪を見ていた。


夕凪が手を挙げるまで待っている…

そんな雰囲気だった。



夕凪は机に頬杖ついて、窓の外を眺めている。


体育祭など、どうでもいいと言いたげだ。

曇り空の方が、まだ興味を引くみたい。



体育祭は授業の一環。

夕凪がどんなにやる気がしなくても、見学はダメだ。



女子は全員の種目が決まり、男子も早い者勝ちで決まっていく。



いつまでも手を挙げない夕凪と上條君は、

二人揃って皆が嫌がる、1000メートルの長距離走に決まってしまった。