急に口数の減った私を、父が心配した。
30分かけて、綺麗に結わえたポニーテール。
それを、ごつい手の平がワシャワシャと撫で、不安を解こうとしてくれる。
「大丈夫。潮音は引っ込みじあんな所があるけど、友達なんてすぐに出来るさ。
他の子だって、新しい友達を求めているんだ。
ニッコリ笑って挨拶すれば、そこから先はベストフレンズ!」
陽気な父は、best friendsという歌を歌い始め、
「ケンちゃん煩い!」と、やっぱり母に叱られていた。
新しい友達は欲しい。
それも確かに不安だけど、
今一番、私の心を緊張させているのは、夕凪だった。