涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


 ◇◇


心はどんなに傷付いても、学校スケジュールは待ってくれない。


あの後私は、体育ジャージで授業を受け、

今は、帰りのホームルーム中だ。



2週間後に迫る体育祭に向け、

それぞれの出場種目を、この時間に決めなければいけない。



体育委員が前に出て、黒板に種目を書いていく。



「今日中に絶対決めるから。
決まるまで、帰れないよ」



そう言われ、クラスメイト達は、スムーズにやりたい種目に手を挙げていった。



早い者勝ち。

私が迷っている内に、どんどん選択肢が減っていく。



残っている女子の種目は、
長距離走とテニス、ミニサッカーのみ。



遠泳ならできるけど、長距離走は苦手。

テニスは授業でしかやったことがない。



焦って手を挙げ、ミニサッカーの最後の枠に滑り込んだ。