涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


違うのに…

夕凪に許して貰いだけで、皆が言うようなことは、していないのに…



怖いけど、そろそろと顔を上げて、宮田さんを見た。


「違う」と言いたくて、

でも唇が震えて、声にならない。



彼女は長い髪を、手の甲で払った。


可愛い顔を歪めて、私を睨む。



「何、その反抗的な目。
ムカつくんだけど」



宮田さんは水道の蛇口に手を掛ける。


水を出して、ニヤリと笑った。



蛇口を手の平で半分押さえ、流れる方向を変えた。


手の平で潰された水流は、勢いよく吹き出し、私を襲う。


頭から水を被り、ずぶ濡れになってしまった。



それを見て、他の5人が楽しそうに笑っていた。